探究のプロセスとの関係

 探究とは、下の図のような問題解決的な学習が発展的に繰り返されていくことをいいます。

■ 探究における生徒の学習の姿
【参照】文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編』

 探究において、学習者は、
1)【課題の設定】→2)【情報の収集】→3)【整理・分析】→4)【まとめ・表現】
というプロセスを経て考えや課題を更新し、さらなる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していきます。

対話型論証モデルとの関係

 上の探究のプロセスを対話型論証モデルに対応させてみると、次のようになります(本書第1章第3節 図1.3.2参照)。

■ 探究のプロセスと対話型論証モデルとの関係

 実際の探究学習では、対話型論証モデルの各枠に番号をつけることで探究のプロセスがより分かりやすくなります。

 ただし、この①~⑩の過程を固定的に考える必要はありません。探究していく中で、活動の順序が入れ替わったりすることは、よく起こるからです。
 対話型論証モデルを使って探究に取り組むことで、学習者は自律的に探究を進めていけるようになります。探究のプロセスを見通しつつ、幅広い情報を視野に入れながら論理的・批判的に思考し、自分の力で探究を深めていけることは、対話型論証モデルの大きな利点です。